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vol.97 ETCの民間開放について 

◇今回のテーマ 「 ETCの民間開放について 」です。

○1.先日、業界関係者と話しをしていましたら、ETCの民間への本格的な

開放が駐車場を皮切りにいよいよ実施されそうだという  ことを耳にしました。

実はこの話は結構複雑ですので、下記に少し経過を整理してから話を進
めることにします。

わが国でETCが本格的に運用開始されたのは2001年のことでした。

その後、ETCの多目的利用推進(第1ステップ)という目標のもと、
2006年から「利用者番号サービス」がスタートしました。

これは、ETCを利用した各種サービスを受けるには
先ず各サービス事業者への「事前登録」が必要で、
各事業サービス会社を介して、クレジットカード決済が行なわれるとい
う仕組みです。

つまりETCカードIDによる決済ではなく
車載器IDに基づき、サービス事業者に登録されたクレジットカードで
決済するものです。

その意味で、高速道路の料金決済システムとは似て非なるものです。

○2.では今回の本格的な開放とは何を意味するのでしょうか。

今回は「まちなかETCサービス」といわれるものです。

これを2016年度の実施に向けて計画が進められているというのです。

具体的には
広く普及しているETCカードや車載器を利用し、事前登録等の手続き
無しでサービスを提供することが可能になる民間サービスを目指してい
るものとされます。

これはETCの多目的利用推進(第2ステップ)として位置づけられて
います。

そしてこのサービスを駐車場を皮切りに、社会のあらゆる場所や場面で
利用できるようにしていくという目論見です。

○3.これを推進しているのが
特定非営利活動法人ITS JAPANという組織です。
詳しくはこの組織のホームページでご確認いただくとして
ITSとは「高度道路交通システム」の意味です。
Inteligent Transport System の略です。

ITS推進の民間における代表的団体ということです。

この組織は、道路交通分野や情報通信分野などに係わる学識経験者、
自治体、業界団体、企業などで構成されています。

この組織の、公のサイドの組織は、
内閣官房、内閣府、国交省、経産省、警察庁、総務省です。
そしてこれら官民の組織が、ITSに関し情報共有や意見交換を行なっ
ているのです。

この組織の中の
ITS GREEN SAFETY委員会が、
上記の「まちなかETCサービス」の実用化に向けた活動を推進してい
ます。

ではこの「まちなかETCサービス」が社会にどの様なインパクトを与
えるのでしょうか。
またどの様な問題が課題として浮かび上がってくるのでしょうか。

それを次回以降考えてみたいと思います。

 

今回もお読みいただき誠にありがとうございました。