◇今回のテーマ 「 ETCの民間開放について 」です。
○1.先日、業界関係者と話しをしていましたら、ETCの民間への本格的な
開放が駐車場を皮切りにいよいよ実施されそうだという ことを耳にしました。
実はこの話は結構複雑ですので、下記に少し経過を整理してから話を進
めることにします。
わが国でETCが本格的に運用開始されたのは2001年のことでした。
その後、ETCの多目的利用推進(第1ステップ)という目標のもと、
2006年から「利用者番号サービス」がスタートしました。
これは、ETCを利用した各種サービスを受けるには
先ず各サービス事業者への「事前登録」が必要で、
各事業サービス会社を介して、クレジットカード決済が行なわれるとい
う仕組みです。
つまりETCカードIDによる決済ではなく
車載器IDに基づき、サービス事業者に登録されたクレジットカードで
決済するものです。
その意味で、高速道路の料金決済システムとは似て非なるものです。
○2.では今回の本格的な開放とは何を意味するのでしょうか。
今回は「まちなかETCサービス」といわれるものです。
これを2016年度の実施に向けて計画が進められているというのです。
具体的には
広く普及しているETCカードや車載器を利用し、事前登録等の手続き
無しでサービスを提供することが可能になる民間サービスを目指してい
るものとされます。
これはETCの多目的利用推進(第2ステップ)として位置づけられて
います。
そしてこのサービスを駐車場を皮切りに、社会のあらゆる場所や場面で
利用できるようにしていくという目論見です。
○3.これを推進しているのが
特定非営利活動法人ITS JAPANという組織です。
詳しくはこの組織のホームページでご確認いただくとして
ITSとは「高度道路交通システム」の意味です。
Inteligent Transport System の略です。
ITS推進の民間における代表的団体ということです。
この組織は、道路交通分野や情報通信分野などに係わる学識経験者、
自治体、業界団体、企業などで構成されています。
この組織の、公のサイドの組織は、
内閣官房、内閣府、国交省、経産省、警察庁、総務省です。
そしてこれら官民の組織が、ITSに関し情報共有や意見交換を行なっ
ているのです。
この組織の中の
ITS GREEN SAFETY委員会が、
上記の「まちなかETCサービス」の実用化に向けた活動を推進してい
ます。
ではこの「まちなかETCサービス」が社会にどの様なインパクトを与
えるのでしょうか。
またどの様な問題が課題として浮かび上がってくるのでしょうか。
それを次回以降考えてみたいと思います。
今回もお読みいただき誠にありがとうございました。