◇今回のテーマ 「 まちなかETCサービスの意味するもの 4 」です。
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○1.前号までで「まちなかETCサービス」のテーマを終了したつもりで
したが、その後に確認した事実を付け加えておきます。
それは「まちなかETCサービス」の普及速度にかかわる事実です。
前号までの記述では、ETCという用語について、
ETCとETC2.0を明確に区別して使っていませんでした。
ETC2.0は、新しい規格であり、「まちなかETCサービス」は
基本的にこの規格のETC対応車載器を前提としています。
厳密に言いますと技術的には不可能ではないようなのですが国交省の
ETC2.0推進という施策からして事実上このような説明になると
いうことです。
結論的には従来型規格では、このサービスを受けられないということ
です。
○2.ここでは簡単にETC2.0を解説しておきます。
ETC総合情報ポータルサイトによると、
ETC2.0では、道路側のアンテナであるITSスポットと対応車載
器(DSRC通信対応)との高速・大容量、双方向通信により世界
の路車協調システムによる運転支援サービスを受けることができま
す、とされています。
そして
そのサービスの一つとして「広がる民間サービス」という項目を設け、
「高速道路から街中へ。ETCの活用シーンがさらに広がります。有
料道路の料金支払いだけでなく、街中での駐車場料金支払いや車両の
入庫の管理などETCの多目的利用が推進されています。将来的には
まだまだ工夫することで新しいサービス展開の可能性があります、な
どと記されています。
具体的には駐車場やドライブスルー、ガソリンスタンドなどの例が挙
げられています(現在ETCで駐車場の料金を自動決済するシステム
がありますが、これは基本的にはETC決済とは別物で、事前に会員
登録した上で自分のクレジットカードを新たに決済サービス提供業者
へ登録する必要があります)。
○3.先にも少しふれたように
まちかどETCサービスを受けるには、ETC2.0対応の車載器を取り
付けておく必要がありますが、この機器は従来型と比べて割高であり
まだまだ普及率は高くありません。
またこのサービスを受けるには従来型車載器を取り外す必要もありま
す。
このメルマガの読者の方々の中でも従来型の車載器をETC2.0に切
り替えた方はそう多くはないと思います。
なぜなら従来型機で必要最小限度の機能は果たせるからです。
したがってこの車載器が一定以上の普及率になるには相当程度の時間
が必要になると思われます。従来型の普及率の高さが逆に新型の普及
を遅らせることになるという皮肉です。
また、ETC2.0の知名度が低いことも逆風になりかねません。利用者
が自分の使っているETC車載器がどのタイプなのか自覚していない
という事実は広範な普及という面では致命的かもしれません。
上記のような要因を加味すると
まちなかETCサービスが普及して駐車場業界の台風の目になるのは
まだまだ先のことかもしれません。
今回もお読み頂きまして誠に有難うございました。