◇今回のテーマ 「 駐車場とデザインについて 1 」です。
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○1.最近、駐車場における案内サイン改修計画のお手伝いをすることが多くな
ってきています。
案内サインといえばサイン屋さん、私たちとは関係がない、というスタン
スが駐車場システム機器屋さんの基本的な姿勢です。
或いはお客様に言われたから仕方なくやると言うのが現実です。そして
サイン屋さんに丸投げするというのが一般的な傾向ではないでしょうか。
私は以前から、このような傾向に関しては大いに疑問を持っていましたの
で、最近案内サインの改修計画に携わることが多くなってきていますので
とてもうれしく思っています。
お客様からすれば、どちらも駐車場における問題解決なのですから、駐車
場システム機器と案内サインが別物ということはありえません。
むしろ両者は密接に係わって駐車場の使い勝手を左右する重要なファクタ
であると言えるのではないでしょうか。
勿論、私は案内サインやデザインの専門家ではありません。
学生時代にデザインを少しかじった程度です。
そうではありますが、駐車場屋として駐車場における案内サインのあり方
に関しては明確な考えを持っています。
○2.私が案内サインの計画に係わる時は「コンセプト」を重要視しています。
勿論、コンセプトがどこかから手品のように湧いて出てくるわけではあり
ません。
コンセプトをまとめる前には必ず現場へ足を運び、利用者としてどのよう
に感じるかということを大切にしています。
当然ながら、お客様には事前に希望などを聞き取り、それにしたがって進
めていくのですが、状況によっては駐車場の利便性に繋がるのであれば、
それを覆すような提案をすることもあります。
具体的にいいますと
① 「分り易いか」という視点
② 「綺麗か」という視点
③ 「統一性があるか」という視点
④ 「森と枝の関係になっているか」という視点
⑤ 「駐車場外の施設との連携が意識されているか」という視点
⑥ 「時の経過を考慮したものか」という視点
など、自分なりの尺度や視点から色々と考えた上で基本コンセプトをまと
めていくのです。
では順にお話していきましょう。
① 「分り易いか」という視点。
分ったようで分らない話ですが、私はこの分り易さという視点を更に分け
て考えます。
例えば、
サイン看板自体のサイズ或いは文字や絵柄のサイズや形状が目的を達する
のに適切かという視点、
サインが置かれている場所が適切かという視点、
字体の選択は適切かという視点、などから検討を加えていきます。
○3.② 「綺麗か」という視点。
これも分ったようで分らない視点です。勿論「綺麗」という感覚は人によ
って大きく異なるものです。
しかしそうだからいって機能性一点張りでやっていくと、伝えておけばよ
いのだと言わんばかりに精算機や発行機や場内の壁等にべたべたとセンス
もなく統一性のない汚い案内を貼り付けることになってしまいます。
たとえ自分個人のセンスであっても一貫した綺麗さを追求することは分り
やすさにも繋がっていきます。
私のセンスで言えば、シンプルでシックなものは力を持ち、そして綺麗な
のだということです。
そしてそれはほんとうの意味での機能性をも満足させるものなのです。
これは、統一性があるかという視点や森と枝の関係になっているかという
視点と深く係わっています。
少し長くなりましたので次回へ続けます。
今回もお読み頂きまして誠に有難うございました。