◇今回のテーマ 「 駐車場とデザインについて 3 」です。
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○1.前回からの続きです。
⑤ 「駐車場外の施設との連携が意識されているか」という視点。
これは分り易さの要素でもあります。
駐車場に来る方は駐車場自体に用があるわけではありません。そこに駐車
してどこかへ行くために駐車するのですから。
ところが周辺施設へ行くのにどの出口を利用すると良いのか分からない駐
車場は珍しくありません。
地下鉄駅であれば、各ホームに出口毎にその方面にある具体的な施設名ま
で詳細に記載された案内があるのが普通です。
また詳細な周辺地図も掲げられています。
ところが駐車場ではそのように行き届いた駐車場は稀です。
場合によっては商業施設や複合施設の地下駐車場であるのに、その施設の
テナントへ行くのに分り易い案内サインが無く、迷ってしまうことも珍し
くありません。
駐車場と駅とどこが違うというのでしょうか。
利用者に対するサービスの意識の違いとしか言いようがありません。
案内サイン計画を考えるとき必須の視点であると考えます。
○2.⑥ 「時の経過を考慮したものか」という視点。
案内サインも適宜、内容の変更が行なわれます。
また時間の経過で劣化が進みます。
計画の最初の段階で、このような時間の経過を考慮に入れたものとなって
いるかという視点です。
これを考えていないとどうなるかというと、
竣工時に綺麗で分りやすかったサインが時間の経過でまるで子供の工作の
ごとき混乱した様相になっていきます。
街中の駐車場でよく見る光景です。
綺麗なアクリル看板に、テプラで修正部分に貼り付けたり、手書きの修正
文をセロテープで貼り付けたりする始末です。
また日光で文字が退色して何を表しているのか分らなくなっても放置され
ていたり、壊れたままの案内サインまであります。
施設が立派であればあるほど、みすぼらしい感じがします。
案内サインは、劣化するものであり、内容は変わるものであり、それを
前提として最初から改修計画の考え方を整理しておくべきなのです。
最初から中長期の改修計画を作成して予算を編成しておくことが大切です。
また内容変更に関しては、
安価で簡便に「変更」することが可能な方法を最初から工夫しておく必要
があります。
例えば頻繁に変更の可能性がある案内サインであれば、最初からよく変更
になるその部分をパネル差し替え式にしておくとか、アクリル看板を使用
せずカッティングシートでの張替えを前提としておくなどの方法です。
他にもいろいろとあるでしょう。
これも結局のところ、
分り易さ、綺麗さ、統一性等と密接に関連してきます。
○3.以上のように考えてきますと
使い勝手の良い駐車場と案内サインとは切っても切れない関係にあるとい
うことが分ります。
私達は、単に駐車場機器を売っているのではなく、
お客様の駐車場事業がより発展していくようお手伝いしているのであり、
駐車場機器の販売はその道具でしかありません。
お客様の駐車場事業が発展するのなら私達にできるお手伝いは何でも取り
組んでいきたいと考えています。
また
ご利用者の方には、より使いやすい駐車場を提供するというのが私たちの
使命です。
それが、
パーキング・トータル・ソリューションという考え方の核心です。
今回もお読み頂きまして誠に有難うございました。