○1.続きです。
前回のキーワードのひとつ「地域コミュニティの中の駐車場」について述べ
たいと思います。
(時間貸し)駐車場は、ご承知のように本来、主たる社会的インフラのひと
つであります。そして、街づくりあるいは都市交通問題という観点からも主
たるファクターである事はあきらかです。
ところが現実には、街づくりの計画等の中で余り重視されることはなく必要
台数が確保されていればそれで良いというようなハード(箱物)中心の考え
方が罷り通っています。
○2.我々は立ち止まって、地域コミュニティが抱えるさまざまな問題を解決する
ために駐車場がどのよう「機能」を期待されているのか、何が出来るのかを
考え直す時期に来ているのではないでしょうか。
今まで駐車場が「地域」とかかわっているといえばもっぱら「割引提携」くら
いなものでした。「どこそこ店で2.000円以上お買い上げの場合、1時間まで無
料」というあれです。でも果たしてそれでだけでいいのでしょうか。
○3.駐車場というのはかかわっている事業者の方が考える以上に「社会性」の強い
ものだと思います。
コミュニティの中の駐車場という「器」を考える時、もう少し広い視野で捉え
るといろいろな社会的な可能性が見えてくるような気がします。
例えば自動車を駐車させる器を提供しています、といった考え方を脱却して、
パーソナルな交通ターミナルという観点で捉えてみると、自動車、自動二輪車、
レンタル自転車、巡回バス、カーシェアステーション・・といったキーワード
が浮かんできます。
そしてそのターミナルを日常的に行き交う人々に焦点を合わせると、もうひと
つのテーマである「利用者(ドライバー)目線の駐車場ビジネスの再構築」へ
と繋がっていくものと思われます。
○4.「ビジネス」と「社会性」を両立させることは言うほど簡単ではありませんが、
私たちの事業の付加価値を向上させるためには、今後積極的にこのような世界
に踏み込んでいく必要がありそうです。
社会性がビジネスに優先することはありえませんが「強い社会性を備えたビジ
ネス」は十分に成り立つ可能性があるというべきでしょう。
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○【次号予告】 次回は〈「今後の駐車場ビジネスの展開について3」〉を予定
しています。