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Vol.36 逆境に生きる 5

○1. 今回は「逆境に生きる 5」をお送りします。

最近、色々なところからある駐車場運営会社の評判を耳にする機会が増えてきました。
私はどちらかというと敢えて業界情報と言うものは仕入れることをせず自然に耳に入ってくるのに任せる、というスタイルをとっています。

差し障りがあるので社名は申し上げることが出来ませんがかなり有名な会社です。

もちろんここで他の会社の批判など詰まらないことをするつもりはありません。

聞き及んだ話の中に我々にとっても考え直すべきことが幾つもあるように思いますので取り上げてみたいと思います。

○2. このような取り上げ方をすれば、当然ながら良い評判でないことは間違いありません。

色々な意見の要点は、お客様と同じ視点に立って問題解決をしていこうという姿勢が無く、秘密主義で自社に不利になりそうなことは一切受け付けないといったスタイルに集約できるようです(少し極端に集約すればということですが・・・)。

基本的に「商売」というものをどのように捉えるかという理念的な問題ではあると思いますが、商売をセロサム・ゲーム的に考えるのか、ノンゼロサム・ゲームと捉えるのか、ということではないかと思います。

ノンゼロサム・ゲームとは「WIN - WIN 」の関係ということも出来るでしょう。

○3. 商売の当事者が、向かい合って敵対する関係にあると見るのか、お互いに共通の目標に向かって協力し合う結果としての商売であると考えるのか。

決して綺麗事を申し上げるつもりはありませんが「顧客志向です」と声に出すことは簡単ですが、日々の商売の中で確実に実践していくことは簡単なことではありません。
しかし致命的に大切なことだと思います。

売る立場の人間が、「買う立場」に入り込んで考えてみると見えてくることはたくさんある筈だと思います。

そういう意味合いで、共通の目標に向かって、汗をかき、知恵を働かせ
工夫を重ねることが付加価値を発生させるのであれば、正々堂々とその
対価を頂けば良いのではないかと思います。

駐車場の場合、共通の目標というのは比較的わかりやすいものです。
すべては社会的インフラとしての「よりよい駐車場づくり(利用者にとって使い易い駐車場)」に集約されていくのではないでしょうか。

近江商人は古くから「買い手よし、売り手よし、世間よし、の三方よしが商売の基本だ」と言います。

駐車場システムの提供者、駐車場事業者(経営者・運営者)、利用者の三方が「よし」となるよう原点に還って商売を見直す時期に来ているのかもしれません。

刹那的な利益の追求は身を滅ぼす、と言えるのではないでしょうか。

今回もお読み頂きましてありがとうございました。

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○【次号予告】 次回4月号は、「逆境に生きる 6」の予定です。