○1. 今回は予定を変更して「電気自動車(EV)について」です。
つい先日お客様から、駐車場絡みで電気自動車の動向について知りたいというご依頼を受けました。
最近、新聞記事でもテレビニュースでも電気自動車が良く取り上げられています。
三菱自動車や富士重工業が電気自動車を発売したり、日産自動車はハイブリッド車をスキップしてEVに資源を集中する(2010年発売)という動きなど中々賑やかな感じです。
実際には、先ずハイブリッド車が主流を占め、電気自動車の普及にはもう少し時間がかかるだろうと見られています。
普及の鍵は、電池能力の向上と充電施設(インフラ)の整備にかかっているといわれています。
安価で能力の高い電池の開発によって一挙に普及に弾みがつくでしょう。
また充電スタンド或いはバッテリー交換スタンドなどが整備されていくと普及に弾みがつくでしょう。
○2. ある説によれば、2020年には世界市場レベルで、EVは年間500万台から
600万台規模に拡大すると見られています。
今年の国内新車販売台数(軽含む)は486万台程度と予想されています。
500~600万台といえば大変な数です。
車社会は劇的に変るでしょう。
その時期は早ければ10年もしないうちに到来するということになります。
○3. EVが社会に与える影響は多方面にわたるでしょうが、駐車場業界という
狭い世界に限定したときどんなことが起こっていくのでしょうか。
まず明らかなことは、駐車場にも充電スタンドが必須になるだろうとい
うこと。
音のでないEV特有の安全対策も必要になるでしょう。
音がでない点に関しては、敢えて音が出るようにするという話もあるくらいで、無音も手放しで歓迎されるわけではないようです。
他にも色々あると思いますが、
根本的なところで言えば、EVが普及するということは「環境重視」という傾向が強まるということであり、車の利用(EVであっても)はどんどん減っていくということではないでしょうか。
車はたとえEVであっても出来るだけ使わないようにし、又所有形態も個人の所有より、共同での所有・使用(シェアリング)という方向性が強まるのではないでしょうか。
ちなみに、私にはEVもカーシェアリングも同じ地平の問題意識であると思われます。
そう考えると駐車場の存在意義そのものも問われかねない状況が生まれてくるかもしれません。
駐車場、というハードの未来は決して平坦なものではないでしょう。
電気自動車と駐車場の未来を突き詰めて考えていくと、いろんなことが見えてくるかも知れません。
ブレイクスルーした先に見えるものは何なのでしょうか。
我々にとって、これからの大きな課題でしょう。
今回もお読みいただき誠にありがとうございました。
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○【次号予告】 次回7月号は、「逆境に生きる 7」または今回の続きの予定です。