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Vol.52 逆境に生きる 13

○1.前回お話いたしました「駐車場と税金」の続きです。

つい最近、大阪市の東税務署に納税証明書を取りに行きましたら、壁に資格のない者が税務相談などはしてはいけないという掲示がありました。

当然私も税理士の資格はありませんので一般論として書いていきますので御了承下さい。

前回、事業所税の非課税措置について述べました。
要するに事業所税の課税の趣旨や目的から、課税すべきでないものについて非課税措置が取られているのです。

駐車場関連で申し上げますと非課税対象は「路外駐車場」と「駐輪場」です。

先ず「路外駐車場」とは、道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものです(駐車場法第2条第2項)。特定者のためだけの専用駐車場などは除外されます。
また駐車場は通常「課金」が条件となります。

これら路外駐車場のうち
1.都市計画において定められた駐車場である「都市計画駐車場」
2.駐車場法(第12条)上の「届出駐車場」
3.「公益上必要な施設からおおむね200m以内の距離に設置されたもので
不特定多数の者の利用に供されるもの」
以上が該当します(地方税法第701条の34第3項27号)。

次に「駐輪場」です。
駐輪場のうち
道路交通法に規定する原動機付自転車または自転車の駐車のための施設で、都市計画で定められたもの、とされています。

○2.都市計画に定められた駐車場や駐輪場は、いわば公の施設です。
その意味では計画当初から非課税対象となっていることは明らかです。

問題は、「届出駐車場」と「公益上必要な施設からおおむね200m以内の距離に設置されたもので不特定多数の者の利用に供されるもの」です。

届出駐車場は、事業主が都道府県知事等に届出をなすことで受理される制度です。
駐車場法の技術基準などを満たしていれば受理されます。
既に開設済みの駐車場でも条件を満たしていれば受理されます(改修などが必要となる場合が多いですが)。
おそらく
届出駐車場として受理されていれば、事業所税担当は形式的にそのまま非課税対象と認定すると思われます。

「公益上必要な施設からおおむね200m以内の距離に設置されたもので不特定多数の者の利用に供されるもの」については、私は浅学なため実例を知りませんが実際に適用されている場合があるのでしょうか。
根拠はありませんが、適用例は稀では無いでしょうか。

この場合、
「公益上必要な施設」とはどのようなものを言うのか、
また、当該駐車場が「不特定多数の者の利用に供させる」ものであるかどうか等自治体の事業所税担当が認定することになると思いますが、どのような基準で認定するかは聞いてみないと分かりません。

ポイントは、自社施設来客用の駐車場でありながら、不特定者の利用も受け容れている駐車場がそれに該当するか否かにあると思います。

○3.税制の詳しいことは税理士にご相談いただければいいと思いますが、税理士だけでこの非課税措置とその対策の全貌を把握することは難しいと思います。

税理士と駐車場のプロの共同作業が必要になります。

駐車場法関連や都市計画法関連の部分が税理士には簡単には理解できないだろうと思われるからです(当社の顧問税理士がまさにそうでした)。

こういう時代ですから、
合法的に税金という側面からキャッシュアウトを抑制する方法を考えることは重要だろうと思います。

税金の問題はいろいろと機微に触れる話題ですのでこれくらいにしておきます。

今回もお読みいただき誠にありがとうございました。

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○【次号予告】 次回8月号は、「逆境に生きる 14」です。