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Vol.66 橋下大阪市政と駐車場

○1.5月と6月をお休みしましたことお詫び申し上げます。

さて今回は、橋下大阪市長と駐車場というお題で考えてみたいと思います。

ご存知のように大阪府知事から大阪市長に転身した橋下氏の勢いはとどまるところを知らないという感じです。

彼の政治手法に関しては意見の分かれるところでしょう。

きわめて単純化されたスローガンで既得権益者を徹底的に攻撃しやり込めるその手法は、今の閉塞した政治状況でフラストレーションをため込んでいる層には非常に受けが良いようです。

何かをやってくれそうな期待を抱かせる、そんな感じでしょうか。

文化人類学的にはトリックスターという存在になぞらえることができるのかもしれません。

一方その扇動的で、独断的な手法を嫌う人々がいることも確かです。小泉純一郎元首相を嫌う人は、この人も嫌う人が多いように思います。
どこか同じにおいがするのかもしれません。

私は、彼が何を成し遂げたのかという点に関して疑問なしとはしません。

大阪府政においてもWTCへの市庁舎移転問題は大失点だったはずです。
他の知事なら首が飛んでいた可能性がある位の大チョンボです。

また府財政の改善もどれほど進んだかは相当に疑問です。

大阪市長としても、彼が今後本当に何をなしえるのかを慎重に検討していく必要があると思います。

客観的に見て、それが本当に多くの大阪市民の幸福に結びついているならば評価できるのだろうと思います。

○2.さてこれからが本題です。

大阪府でもそうでしたが、大阪市も最近市有財産の売却や貸付を
積極的に推進しているように見えます。

いわゆる民間活力の利用ということでしょうか。

先日も南港ポートタウンの9か所の駐車場を市の外郭団体の管理から外し、民間業者に貸し付けるスキームで公募をかけていました。

最低賃料は何と約4,100万円。

年間で5億円弱という大型物件です。

こういう状況は駐車場関係者にとってはやはり朗報です。

何かよく分からない理屈をこねりまわして、市の関係者の間で市民の財産を弄ぶという退廃。
高いコストと、サービス精神とは無縁の運営。

それよりコスト感覚に優れ、サービスを理解している民間業者が運
営能力に長けていることは明らかです。

またいろいろなアイデアが民間業者からは出てきます。

○3.そこで考えます。

募集する方が役所だから仕方がないのですが、駐車場もただ高い賃料を出せば良し、というのであればサービスもアイデアもへったくれもありません。

資金力のある会社だけが参入出来るというのでは面白くありません。

もちろん高い賃料で民間が借り上げ、市財政の改善に貢献することは大切です。

しかし、単なる駐車場に限定しないで、地域コミュニティの交通結節点になるようなターミナルの構築なども必要ではないかと考えま
す。

つまり街づくりの観点から駐車場の再構築を図る。

それは自動車だけの駐車場ではなく、自転車やバイク、公共交通機
関などとの連携も視野に入れながら構築する。

そこまでやれてはじめて民間に貸し付ける意味がある、そういう風
に思います。

価格競争入札が一番簡単ではありますが、
時にはコンペ形式でアイデアを募るという形式も是非採用して
民間の活力やアイデアを引き出してほしいものです。

それこそ改革を強く訴える橋下市政の真価ではないのでしょうか。

今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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○【次号予告】 次回 8月号のテーマは「駐車場の未来」です。