○1.今回は、「駐車場を地域コミュニティの中に位置づけてみる」です。
このメルマガをお読みいただいてる方は、またかという感じだと思います。
私はこれからの駐車場は、極端に言えば、駐車場単独では存在しえないとさえ思っています。
しかし毎回同じことばかり言っていると飽きられますので、今回は少し視点を変えてみたいと思います。
皆さん「モビリティマネジメント」という言葉をご存知でしょうか。
少し難しい話になりますが
定義すると、「当該の地域や都市を『過度に自動車に頼る状態』から『公共交通や徒歩などを含めた多様な交通手段を適度に利用する状態』へとすこしずつ変えていく一連の取り組みを意味するものである。」(「モビリティ・マネジメント入門」藤井聡・谷口綾子著13頁より)ということです。
余談ですが、この藤井聡氏は京都大学教授で、国土強靭化論や国会での発言で有名です。大阪市長の橋下氏との論争でも名を馳せている学者・言論人です。
但し、モビリティマネジメントは「政治的(党派的)」な問題とはは全く関係がありませんので誤解なきようお願いします。
○2.ではなぜ今、モビリティマネジメントから話を始めようとするのか。端的に言って車社会がひいては社会の在り方が大きく変わってしまったからです。
人口減少
高齢化社会
都市集中化
若者の自動車離れ
シェアリング意識の浸透
CO2温暖化
健康志向
自転車通勤
これらの言葉は何を意味するのでしょうか。
これらを都市交通の目で捉えてみると、自動車優先社会の終焉という厳然たる事実が見えてきます。
少なくとも日本の都市部においては。
モビリティマネジメントは、このような問題意識の上によって構築されているとも言えます。
○3.もしそのような問題意識を前提とするならば、駐車場事業者である我々は今後どのように考え、行動していくべきなのでしょうか。
それが私の「駐車場を地域コミュニティの中に位置づける」という
考え方なのです。
ざっくり言ってしまえば
都市の交通結節点としての駐車場、あるいはターミナル。
これがこれからの駐車場の在り方ではないでしょうか。
①駐輪場の併設
シャワーやランドリーの併設
②駐バイク場の併設
③レンタサイクルシステムの併設
④コニュニティバスの停留所の設置
公共交通機関(特に駅)との結節
⑤電気自動車の充電設備
⑥空きスペースの活用(アイドリングタイム)
地域社会のと連携
⑦屋上庭園
このようなキーワードを起点に、地域に根ざした交通結節点としての駐車場を構築していく、これが我々のこれからの使命ではないでしょうか。
「駐車場の未来」は、この項で終わりとします。
今回もお読みいただき誠にありがとうございました。
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○【次号予告】 次回 12月号のテーマは「 一年を振り返って 」です。