○1.ながらく駐車場経営における最大の営業戦略は、時間料金をどのように設定するか、という点にありました。
これはつまり価格戦略です。
これが大変重要なファクターであることは間違いありませんが、こればかりを追求していけば、価格消耗戦に陥ることは必定です。
ある大手運営会社は、意識的に中小運営会社をターゲットにした価格戦略を展開し、市場を焼け野原にして、そのあと好きなように価格を操るという方法を採用しています。
他社の戦略をとやかく言うつもりはありませんが、これではマーケッットが育たず、結果として利用者の利便性を損なうことになりかねません。
価格には適正価格というものがあります。
それは駐車場とて同じことです。
価格戦略と言っても、適正価格の幅の中で価格が形成されるのが本来の姿です。
適正価格の幅を大きく下回り、低価格で他の業者を駆逐するのは自由です。しかし焼け野原にした後、高い価格でそのエリアの駐車場料金を全面的に書き換えてしまうのはいかがなものでしょうか。
その果てにあるのは、寡占企業による利用者不在の駐車場経営ということになります。
業界人として
私たちはもっと駐車場運営事業に付加価値を創り出すことはできないのでしょうか。
次にそれを考えます。
〇2.いま巷では
アベノミクスで景気が良くなりつつあります(正確に言えば、そういう報道が目立ちます)。
高所得者層から消費も活発になり始めているとも言われています。
長年、デフレに苦しめられてきた各企業が付加価値創出に知恵を絞りつつあります。
そんな時に価格戦争などやっている場合ではありません。
創意工夫で付加価値をつけ、平たく言えば「値上げ」ができるようなあるいはリピートしてもらえるような形にもっていく努力も大切ではないでしょうか。
はじめから諦めることなく工夫しようではありませんか。
安いから、だけではない選択をしてもらえるような駐車場づくり。
今こそそれが求められているのではないでしょうか。
〇3.今すぐにこうした方が良いという妙案があるわけではありませんがどのような観点からそのような価値創造を行えばいいのか、その切り口を考えてみたいと思います。
(1)地域の中の駐車場という観点
(2)複合施設化
(3)公共交通機関との連携
(4)顧客データの収集と活用
他にもいろいろ観点はあると思いますが、次回は上記について少し詳しく考えてみたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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○【次号予告】 次回 6月号は「どうやって売上を上げるか②」です。