○1.どうやって売上を上げるか、という観点から
最後のテーマ「顧客データの収集と活用」です。
ここでは顧客データとしましたが、より広く利用者データとした方が良いかもしれません。
通常、時間貸し駐車場を経営する場合には、いわゆる顧客データといえるようなものは存在しません。
なぜなら利用者は、例外を除いて不特定の方だからです。
月極の場合は、当然ながら氏名、住所、利用形態(全日か、平日か等)など顧客データを入手することができます。
話を簡単にするために、この両者を分けて考えます。
〇2.まず時間貸し駐車場の場合。
特に無人管理の駐車場を運営している場合、利用者の顔が見えません。
このような場合、もし売り上げが低迷しているとしたらどのような取り組みをすべきなのでしょうか。
一番簡単な方法は、おそらく値下げでしょうが、それは手を尽くしたあとの最後の方策です。
今まで各事業者が、どれくらい積極的に取り組んできたかはつまびらかではありませんが、
私は、
地域の特性を丹念に調べて、潜んでいる需要がないか仮説を立て、それに沿った価格戦略を考えて料金体系を変更したり、付加価値サービスを生み出したり、使い勝手を向上させたりするなどあらゆる手段を講じるべきだと考えます。
地域の特性というのがポイントです。
普通、地域の特性というと駐車場マーケットとしての特性を考えがちです。どこがいくらでやっているとか、どこに多くの車が駐車してい
るとか・・・・
勿論、これは基礎調査として大切です。
しかしこれにもとづいて価格戦略を考えれば、簡単に値下げという方向に流れてしまいます。
安易な横並びの発想です。
そうではなくて私は純粋に地域そのものの特性を詳細につかむことが大切ではないかと思います。
その地区にどのような社会的特性があり、どのような人々が、どのような暮らしをしているのか、又どのような人々が、どのような用事でこの地域に入ってくるのか・・・・
地元の人に話を聞きながらいろいろな情報を拾い集める中で、表面的には見えて来ない事実が見えることがあります。
そして集めた材料をもとに仮説を立て実行するのです。
〇3.勿論、仮説は何度も試行錯誤を繰り返すことで精度が上がってきます。
値下げをすることががすべてではないと思います。ニーズを見極めた付加価値サービス、使い勝手の向上、相互にプラスとなる近隣施設との提携など出来ることはたくさんあると思います。
価格競争は愚者の選択だと思います。
そこから抜け出すには大きな努力を必要とします。
結局のところ、
面倒くさがってやらないのか、敢然とやるのかということではないでしょうか。
長くなりましたので、月極駐車場については次回とします。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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○【次号予告】 次回 8月号は「どうやって売上を上げるか④」です。