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Vol.83 価値のあるものはそれにふさわしい価格で

○1.いよいよ来月1日から消費税が8%になります。
皆さん、もう増税に向けての準備は終わられたでしょうか。

さて、
消費税の増税に関しては、中小企業にとっては転嫁問題が一番のポイントだとされますが、われわれの業界にとってもその事情は変わるところはありません。

それでなくてもデフレから脱却した、とはとてもいえる状況ではないことは確かなわけですから厳しい課題です。

またこの問題の厄介なところは、この時期に価格交渉をされた場合、
それが増税分の転嫁拒否なのか、本体価格の値引きなのか判然としないというところにあります。

しかも買う側は、本体価格の値引き交渉だと言い張るに決まっていますから、結果としては増税において転嫁ができず実質的には値引きを強いられることになるわけです。

世の中の常と言ってしまえば詮無き事ですが、なんともはやという感じです。

モノやサービスの価値を考えずに、ただ安ければよいという間違った風潮が、長いデフレ時代を招いたのではないでしょうか。

インフレ傾向になっても、一旦安い価格が市場に定着してしまうと値上げすることはなかなか難しいのが現実です。

〇2.そこで事業者としては何を考えるべきなのでしょうか。

従来のサービスやモノはそのままで、コストが上昇して吸収できなくなったので値上げさせて下さい、と客先に申し入れることは簡単でしょう。

しかし、もしコスト下がりはじめたら(例えば輸入原材料の値下がりがはじまったら)、今度は反対に、買う側から値引き交渉をされるのは目に見えています。

そのようなことで良いのでしょうか。

難しいかもしれませんが、
原則はやはり、モノやサービスに関して自社でしか提供できない付加価値をつけるか、販売のフィールドを変える、つまり新しい市場を創出するということに尽きるのではないかと考えます。

そうすれば価値にふさわしい価格を確保できることができるはずです。

同じ土俵において、同じモノやサービスを売っていれば、資本や人的資源において優るより大きな企業が勝つに決まっています。

〇3.弊社の一例で申し上げますと
有人の駐車場管理運営という手垢のついた市場に進出する際、次のような決め事をしました。

(1)大手の駐車場管理会社のように業務を外部へ丸投げしない
(2)警備会社と同じことはしない

この2点を理念として「おもてなし駐車場」というコンセプトを創り
上げ、はじめて有人の駐車場管理業務に進出しました。

顧客は、1日の来場者数が1,000台以上の大学病院駐車場でしたが、弊社の考えをよくご理解いただき共鳴していただいて契約締結に至りました。

交渉の過程においては、大手駐車場管理会社も競合しましたが、早い段階で脱落し、当社にお任せいただく方向性は決まっていました。

その決め手は
他社では提案していない(できない)弊社独自の「おもてなし駐車場」のコンセプトとそれを実行するための詳細な業務マニュアルと教育・訓練のシステムでした。

小さなことですが、「神は細部に宿る」とも言います。

大風呂敷を広げることも結構ですが、
日々の業務の中で問題点を見つけ出し、従来の業界常識を離れて自由に改善策を工夫することで、モノやサービスに新しい付加価値を加えることは十分可能だと考えます。

弊社は昨年末に、プライバシーマークを取得しました。
駐車場運営を業とする中小企業の中ではトップランナーを走っていると自負しております。

「人(他社)と違うことを、人と違う視点で、人より早く」実行できれば、厳し経済状況の中でも生き残り、更に発展成長していくことができ
るのではないかと考えています。

今回もお読みいただき誠にありがとうございました。

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○【次号予告】 次回4月号のテーマは未定です。