皆さんこんにちは、パステル石戸です。
引き続き「事業承継」についてです。今回は、後継者の育成について考えます。
大企業であればともかく、中小・零細企業の事業承継問題は、本当に深刻な問題です。大企業ではそれなりに人材が豊富ですから、だれが最適な後継者であるかを悩みながら選定することになる訳ですが、中小・零細企業ではそういう訳にはいきません。
後継者がいない、見つからないという事態も稀ではありません。また、いないわけではないにせよ、かなり周到な後継者育成を計画的に実行していかないと時間切れになってしまうという場合も想定されます。
経営者には誰でもなれますが、利益を出しつつ組織を成長させ続けていくことは誰にでもできる訳ではありません。
良いプレーヤーが良いマネージャー、経営者である保証もありません。
私は20年以上の経験から、経営者に向いている人と、そうでない人がいると思っています。
どういう人が向いていないかというと、物事を俯瞰的、全体的にとらえることができない人です。自分の足元だけを見ている人です。経営者は、「全体」と「部分」とを自在に行き来できることが求められます。
次に向いていないのは、自分自身を客観的にとらえることができない人です。経営者は視点を自在に変え、自らの立場をも客観的にとらえる努力をしているものです。そのことで様々な思い込みから少しでも自由になることができます。
更に向いていない人は、愚痴っぽかったり、人を妬んだり、基本的に物事を悲観的且つ否定的にとらえる癖のある人です。
こういう人は「運」をつかむことができません。「運」が寄り付きません。
悲観的にリスクを用意周到に検討しつつも、最終的には楽観的に且つ果敢に振舞うことができる人は、経営者として適任です。
最後に、「私」を重視する人は経営者になるべきではありません。「私」を半ば捨ててでも、何よりも自ら率いる組織のために献身できる人でなければ経営者は務まりません。言い換えれば、逆をおこなえば良き経営者になりうるということです。
勿論、私も例外ではなく日々このようなことを肝に銘じながら努力を行っています。
次回は、事業承継が成功するふたつめのポイント「様々な困難があっても耐えられるような盤石な事業構造・ビジネスモデルを確立しておくこと」についてお話ししたいと思います。
今回もお付き合い頂きまして、ありがとうございました。