パステル石戸です。
今回は、経理や財務などに関して述べてみたいと思います。
私は、はるか昔ではありますが法学部を卒業していますので、法律問題に関しては多少の勘が働きます。
ところが会計や経理、財務に関しては全く素人でした。
そのような私でもなんとかやってこれたのは、経理や税務、財務を人任せにせず
自分なりに制度やそのロジックの基本(あくまで基本です)を必要な範囲で勉強してきたからです。
ここで重要なのは人任せにしないということです。
私の知っている経営者の中には、しっかりしたベテラン経理部長がいるので全面的に任せている、
経理や財務はよくわからない、という人が結構います。
果たしてそれで良いのでしょうか。
例えば、私はいざというとき時に、自分自身で重要な財務的判断を下すことができないという状況には到底耐えられません。
たとえ大失敗になったとしても、自らが渾身の集中力で考え抜いた結果であれば受け入れることができます。
しかし、人任せにして招いた重大な結果に対してはそんな気持ちにはなれません。
何に取り組む場合でも同じですが、何があっても自らがその結果を引き受けるという覚悟の有無が、事の成否を左右すると思うのです。
健全な当事者意識こそが、未来を拓くのだと思います。
例えば、自社で機器を購入して持込むタイプの駐車場管理案件で、収支試算を行う場合、
精算機や発行機などを購入して資産計上し、毎年減価償却費を計上し、機器を設置している自治体には償却資産税を納めなければならないというルール、
また状況により事業所税も収める必要があるということ、を理解しているか否かは、単にそういう知識があるかないかという範囲を超えて、その会社の投資判断が果たして適正に行われているのかという問題にもつながるほど重要な事柄なのです。
安直に人任せにせず、健全な当事者意識をもって、且つ深入りしすぎないことが、これからの経営者には求められると思っています。
具体的にいえば、減価償却費や償却資産税、事業所税の概要を知っておくことはとても重要ですが、減価償却費や償却資産税の計算式詳細や事業所税の税率などを正確に把握しておく必要は全くないということです。
経営者というのは、社会や制度が複雑になればなるほど、広範囲に網をかけて各種の知識を獲得しておくことは必須ですが、どこまで深くやるのかはについてはよほど注意をしないといけません。時間は無限にあるわけではないからです。
わが社の存立にとって重要な事柄を見分け、基本的事項を理解した上で、自分は何を理解しており、逆に言えば、何が分からないかをしっかりと把握していれば、何を専門家に相談すればよいかは自ずとわかるようになるのです。
何が分からないのか分からない、ということこそ悲劇です。
これからもそういう悲劇を招かないよう自覚して精進して参ります。
今回もお読みいただきまして誠に有難うございました。